ぐりーんのふうせん

グリーンの風船は、近くの銀行でもらってきたらしい。
だいじにだいじに抱えて。

ぼくが家に帰ると、洗濯機の横の脱衣カゴにグリーンの風船はあった。
そこにあると、しゅんたろう的には、安心らしい。
手に持つと、ギュッと吹き口の結び目を握り締めて、決して離さない。

・・・お風呂に入ると、
「ぐりーんのふうせん、おふろにはいるあいだ、いっちゃわない?」
ねんねんしているあいだ、いっちゃわない?」
と繰り返し、質問が続く。

どうやら、先週イオンでもらった「ヘリウムガス」入りの風船のことを思い出して、とんでっちゃうと思い込んでいるようである。何度
「この風船はね、・・・」
と説明しても、頭の中は、ちょっとちがうみたい。

ぐりーんのふうせん、あしたもとんでかないでね。